男性用化粧品が好調で、市場規模は顔用スキンケアで250億円にふくらんだ。洗顔料、化粧水、パックやクリーム、美容液もあり、女性顔負けの品揃えだ。スキンケアだけではもの足りず、メイクをする男性もいる。化粧をすることで「自分をよく見せたい」という願望が、男性にも芽生え始めているようだ。
女性と同様、「しっとり」「うるおい」が重視される
1978年から男性用化粧品を発売しているマンダム。中心ブランドの「ギャツビー」は洗顔料、化粧水、パック、クリームなど全28種のスキンケア化粧品を揃える。洗顔料と、外出先でも簡単に汗や汚れを拭き取れる「フェイシャルペーパー」がよく売れている。
同社によると、男性用化粧品(顔用スキンケア)全体の市場規模は250億円(売り上げベース)。ドラッグストアなどを中心に、年々拡大している。その背景には、男性の化粧品に対する意識の変化があるようだ。
昔は、ニキビができた時や、肌がテカる時など「一時的」に使われていたが、最近、「普段から手入れをして、いい男になりたい」という風に変わってきた。
こんな傾向もある。
「写メールが普及し始めた頃から男性用化粧品の売れ行きがよくなっています。自分の顔写真を撮って人に送る機会が増えて、顔が重要なものだという認識に変わってきました。ベストショットを携帯にストックしている男性もいるようですよ」(広報担当者)
ニベア花王は男性用化粧品「ニベアフォーメン」(10種)のデザインを2009年3月28日に新しくした。使用感がさっぱりとしたタイプもあるが、男性用では珍しい「しっとり」タイプも揃う。購入者は20~40歳代と幅広い。
広報担当者は、
「べたつきをなくす、爽快感がある、というのが男性用化粧品に求められるポイントでしたが、08年に調査したところ、男性の6割が保湿、うるおいを重視していることがわかりました」
という。
大塚製薬も08年9月から男性用化粧品分野に参入。俳優の織田裕二さんを広告に起用したブランド「UL・OS(ウル・オス)」を展開し、注目を集めている。