北朝鮮「後継者レース」混沌 長男・正男氏は脱落か

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「私はただの『自由人』」という長男

   だが、正男氏は、北朝鮮が「人工衛星」と主張するミサイル発射後の4月7日には、マカオでTBSに対して

「(発射後の)国際社会の動向を注意深く見守りたい。緊張が高まると思う。それを憂慮している」

と語り、後継者問題については、

「多くの人が『私が後継者かも』と推測するのですが、私はただの『自由人』。もちろん、私は彼(金総書記)の3人の息子のうちのひとりで、長男です。でも、それ以上でもそれ以下でもない。私は、北朝鮮にはいかなる政治的立場もありません」

と、「お世継ぎ説」には否定的だ。

   このことから、コリア・レポートの辺真一編集長は、

「少なくとも、今回の件ではっきりしたのは、『正男氏は100%ない』ということ。人ごとみたいな喋り方ですし、自らレースから『降りてしまっている』格好です」

と、後継候補は正哲氏と正雲氏の2人に絞られたとの見方だ。ただ、2人のうちどちらが後継者なのかについては、きわめて慎重だ。

「今回の件では、日・米・韓の情報収集能力のなさを露呈しました。人民会議は、午前中にはほとんどの内容が終わっていたはずで、オブザーバーを含めると700人近くが参加していました。平壌には西側の外交使節もいます。それでも、各国は『会議に金正日総書記が出席していたか』という点を、20時の国営テレビのニュースまで分からなかったんです。北朝鮮の情報統制能力のすごさを見せつけられた形です」

   その上で、

「日本や韓国では、これまで『関係筋によると~』といった情報源を根拠に後継者問題が語られることも多かったですが、この情報統制の厳しさを考えると、いかにいい加減な憶測記事が書かれてきたかを認識すべきです」

と、クギをさしている。

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