新年度に入って号令がかかった?
電話やメールで「投資セミナー」の開催を呼びかけて集客。セミナーで企業のIR情報やマーケット動向などを詳しく教える。ある大手証券では、各支店長が講師となり、株取引の「いろは」から教える。「株価が暴落した昨秋以降、ネットで口座を開設した人が、いまから(取引を)始めようと来店するケースが多い」そうだ。
電話セールスは、最近は個別での情報提供をうるさがる投資家が増えているので、支店単位でも滅多にやらないという中堅証券は「地場証券などの、窓口営業中心の証券会社では(電話セールスが)あるかもしれませんね」と話す。
上昇基調にあるとはいえ、まだ株価は安い。しかも株価回復でムードが明るいので、証券会社は基本的に営業しやすい環境にある。ある証券関係者は、「新年度に入って、号令がかかっているかもしれない」と漏らす。
インターネット専業証券のジョインベスト証券は「3月末から伸びている」と、売買状況を語る。ネット証券は営業担当を置かずに投資家の自主的な判断で売買することが特徴だが、「売買状況が活発になるにつれて、メールやコールセンターへの、売買に関する問い合わせは増えています」と話している。
前出の島峰氏は、「いまの景気回復は、需要が追いついてこない弱々しいものと思われます。欧米などでとられている景気対策の効果が切れた後、再び不良債権問題が頭をもたげるようだと、株価も底をうかがう展開に逆戻りするかもしれません」とクギを刺すが、いずれにしても長期保有に徹すれば、買いごろではあるようだ。