三菱UFJ証券、第一生命、日本生命と大手金融機関で顧客情報の漏えい・紛失が相次いでいる。
三菱UFJ証券は2009年4月8日、システム部長代理の男性社員が社内システムから不正に約148万人の個人顧客情報を引き出し、このうち4万9000人分を名簿業者3社に売却していたと発表した。情報はすでにマンション投資の勧誘会社などに転売されていた。
同社は男性社員を同日付で懲戒解雇。今後、刑事告訴する方針。また、経営陣を含む関係者の処分を検討する考え。米証券モルガン・スタンレーの日本法人との統合を控えているほか、シティグループ傘下の日興コーディアル証券の買収を目論むなかで、大きく躓いた。
また、第一生命保険や日本生命保険、全国共済農業協同組合連合会(共済連)は同日、合計で733人分の顧客情報を紛失したと発表した。
各社が診査を委託していた徳島県の元嘱託医が保管していた顧客情報を紛失。情報には、顧客の職業や健康状態などが記載されていた。
日本生命などは情報の捜索・回収を行っている。日本生命は250人分を紛失したが、すべて回収した。第一生命は373人分を紛失、そのうち271人分を回収した。共済連は110人分を紛失し、91人分を回収した。