「分煙で棲み分けして折り合っていくしかないと考えている」
このコラムに対して、「はてなブックマーク」には100件近くブックマークされ、賛否の意見が寄せられた。もっとも、やや批判的な内容が多く、「喫煙文化の正しい社会認識を高めるように努めている団体が載せていい文章じゃない」「これでルールを遵守している愛煙家が肩身が狭くなる。愛煙家の敵は、間違いなく自分勝手な喫煙者」「喫煙者から見ても酷い…やめてくれ」などと書き込まれた。
反対に、「禁煙に限らず、『ご理解とご協力を御願いします』の押し付けウザさは同意」「喫煙率25%もあるのにホームに喫煙ルームをつくらないのは客商売としていかがなものかと思う」「副流煙の問題は空気の流れのある広い空間なら問題ない。JRのプラットホームを全面禁煙にする必要はなく、喫煙コーナーを設ければいい」といった意見もあった。
日本パイプクラブ連盟はどう考えているのか。同連盟はJ-CASTニュースに対して、「当連盟は、喫煙者と非喫煙者がいがみ合うことなく、仲良く共存できる社会が望ましい。双方の立場を両立させるには、分煙で棲み分けして折り合っていくしかないと考えている」として、次のようにコメントした。
「一部の過激な嫌煙者の圧力を受けて、地方自治体や公共輸送機関などが、有無を言わさずに強引に全面禁煙を強制する昨今の社会風潮は、穏当を欠き、甚だしく危険なものだと考えます。JR東日本は、これまで分煙を掲げてきましたが、急に全面禁煙を利用客に強制するようになりました。喫煙者の利用客の立場を一方的に無視する傲慢な経営姿勢の現われだと受け止めております。従いまして全面禁煙の強制には当連盟は真正面から反対いたします」
一方で、NPO法人日本禁煙学会の理事長・作田学さんは、全面禁煙の取り組みを評価するとして、こう話す。
「海外では全面禁煙の流れが一般的です。また、『タバコの規制に関する世界保健機関枠組条約』を批准する日本では2010年2月までに、公共の場などでは全面禁煙に向けた努力をすることになっています。さらに、北海道滝川市の男性社員は受動喫煙から吐き気や頭痛に悩まされ、訴えを起こしたケースもありました。厳密には(駅構内や会社内での)分煙もドアの開け閉めより、副流煙を吸い込んでしまう可能性があります。私は、タバコは自宅の中だけで吸うべきだと考えます」
なお、JR東日本の場合、東京、上野、新宿、大宮駅では「喫煙ルーム」を設けている場所もある。こうした措置を他の駅でも実施する可能性について、「ホーム上は設置スペースの問題から難しいが、コンコース等での設置を検討したい。安全性や利便性も考慮し、喫煙者・禁煙者の双方が気持ちよく利用できるようにしていきたい」と話している。