ニコニコ動画も赤字拡大
この傾向は、ユーチューブに限った話ではない。例えばドワンゴが09年2月に発表した08年10月~12月の決算によると、ニコニコ動画が事業の大半を占めるポータル事業の売上高は前年同期比77.9%増の6億3600万円。一方、営業赤字は前年同期比では2倍以上の4億7500万円に拡大しているのだ。
こう見ていくと、動画投稿サイトは「ジリ貧」のようにも映るが、井上さんは、この見方には否定的だ。
「ヤフーが(USENの)『ギャオ』を事実上傘下に収めたことからもわかるように、動画に対するニーズはあるんです。ユーチューブも、さらにアクセスが増えて知名度が高まるにつれて、企業もキャンペーン型の広告を打ちやすくなるのではないでしょうか。今は、アクセス増加に備えて、設備などに対して『先払い』をしている状態だとも言えます」
ただ、過去に例のない世界的景気の落ち込みもあって、ここ2,3年は広告収入の大幅な伸びは期待できない。となると、どこまで持ちこたえられるのか、が焦点になりそうだ。