大手メーカーで起きている  続々社長交代の「なぜ」

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   自動車、電機の大手メーカーが続々とトップ交代を進めている。2009年明けのトヨタ自動車、ホンダに続き、2~3月に入ると、ソニー、東芝、日立製作所が軒並み社長交代を発表し、その動きは「これまで見たことがないほど急激」(電機業界関係者)だ。08年秋以降の景気の冷え込みで、各社は一斉に大規模なリストラを進める一方、業績は急速に悪化しており、経営体制を早期に一新して改革を加速する必要性に迫られた結果といえる。

日立の社長交代は、業界関係者を驚かせた

   日立が3月半ばに発表した社長交代は、業界関係者を驚かせるものだった。古川一夫社長(62)が副会長に退き、4月から子会社の日立プラントテクノロジーと日立マクセルの両社会長を兼務する川村隆氏(69)が社長兼会長に就任するという人事だ。川村氏は日立本体の元副社長を務めた経験もあるうえ、現職の古川氏より7歳も年上。日立本体から一度は退き、子会社に飛んだベテランを再び呼び戻して社長に起用するという極めて異例のトップ交代となった。

   古川氏が「(川村氏への)権力集中でメリットを出してもらい、より強力な経営チームを作りたい」と語ったように、今回の人事は川村氏に権力を集めることで、構造改革を急ピッチで進めようという狙いがある。古川氏は情報通信システム畑出身であるのに対し、川村氏は中核事業の重電畑出身。日立社内では大きな影響力をもっているほか、子会社でも経験を積み、グループ経営にも知識豊富であることが起用の大きな要因となった。

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