軍艦島は未来に向けて警鐘を鳴らしている
ツアーを企画した近畿日本ツーリストの担当者によると、「30~50代の方が応募しています。もともと廃墟ファンや建造物が注目を集めていましたから、予約もじわじわ伸びています」と話す。
1ツアーあたりの定員は40人。4月下旬から始まるツアーでは5コースを用意した。同社を通じて、最大500~700人が軍艦島へと行くことが出来るそうだ。なお、長崎市の条例により、悪天候の場合は上陸できないこともある。しかも、安全基準を満たす日は100日以下とも言われている。価格は2万6800円~7万8000円。ツアーでは軍艦島だけでなく、長崎県の観光名所も回る。
ちなみに、個人のブログでも今回の「軍艦島」の上陸解禁に対して、「いつか行ってみたいのです」「ちょっと行きたい。いや、かなり。凄く」「その光景を眼にした際に、どんな感情が去来するのであろうか...。とても惹かれる」「観光地化による整備で景観が崩れないといいんだけど……」などと書き込まれている。
NPO法人「軍艦島を世界遺産にする会」の理事長・坂本道徳さんは、軍艦島の魅力について、次のように話す。
「軍艦島は、どうやって近代化していったのかという歴史が詰まった場所です。そういう意味では、未来を考えるのには役立ちそうな場所です。今は大量消費の時代ですから、すべてを消費し尽くした果てに将来はこうなる……軍艦島はそんな警鐘を鳴らしているようにも感じます。もっとも、海の真ん中に、よくもこんなものを作り上げたなと、初めて来た人は島の迫力を感じることでしょう。それは、見ればわかるかと思います」