認知症の一種ピック病説まで出る 高橋教授・窃盗事件の「不可解」

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   元財務官僚で小泉政権のブレーンとしても知られた、東洋大学教授の高橋洋一容疑者が、温泉施設から腕時計などを盗んだとして書類送検されていたことがわかった。ただ、今回のような窃盗容疑では逮捕されるのが普通で、しかも犯行から1週間近くも新聞報道されなかったなど、不可解な点も多い。このことが、様々な憶測を呼んでいるようなのだ、

「霞ヶ関埋蔵金」の活用を訴え、これに反対する財務省と対立

   事件が起こったとされるのは、2009年3月24日の20時ごろ。東京・練馬区の温泉施設で。区内の男性サラリーマンが風呂から上がって、脱衣所のロッカーに入れてあった財布とブルガリの高級時計がなくなっていたのに気づいたという。男性は警察に通報し、警察が施設内の防犯カメラを再生したところ、不審な男が映っていたといい、不審な男が風呂場から出てきたところで「御用」となった模様だ。

   警視庁練馬署は3月30日になって高橋容疑者を書類送検し、各紙は30日夜から31日朝にかけて事実関係を報じた。本人は「いい時計で、どんな人が持っているのか興味があった」として、容疑を認めているという。

   異例なのは、処分が書類送検にとどまっていることだ。警察側は「逃走のおそれがない」などと、その理由を説明しているというが、高橋容疑者が盗んだとされるのは、約30万円相当にものぼる。これだけのものを盗んだとすれば、逮捕されるのが普通だ。もし高級時計を本当に盗んだとすれば、その場からすぐに立ち去るのが普通で、その後風呂に入るという行為は考えにくい。

   ここでひとつの仮説を展開しているのが、3月31日発行の「日刊ゲンダイ」だ。捜査当局が「第2の植草事件のようにみられること」を避けたいのでは、との見立てだ。「植草事件」と言えば、元大学教授の植草一秀氏が東京都迷惑防止条例違反の疑いで逮捕・起訴された事件だ。植草氏は、当時の小泉政権や竹中平蔵氏を批判していたことから、一部では「逮捕は、国家権力による陰謀なのでは」との推測も出ていた。

   高橋容疑者は、従来から「霞ヶ関埋蔵金」の活用を訴えており、これに反対する財務省と対立していた。このことから、「国策捜査」との批判が上がる可能性があることを念頭に置いているものとみられる。

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