規模が小さく知名度の低い企業の場合に、掲示板の情報を利用
いまや個人投資家の大半がネット取引を利用している。そのため、売買を発注する直前に、確認の意味を含めてネット情報を見る投資家は少なくないはずだ。
一般的には、個人投資家は新聞やテレビなどから情報を得る。ネット掲示板の、非公式な口コミ情報はその補完的な役割として使われ、マスメディアに載りにくい規模の小さな企業や知名度の低い企業の情報ほど、ネット掲示板の情報を利用していることがわかった。
広田教授は「大企業の情報は豊富だが、中小企業の情報は少ないので、投資家はそういった銘柄の売買に(ネット情報を)役立てているようだ」と話す。
学生チームはカキコミの1件1件の内容を分析しているが、ネット情報の「信憑性」には言及していない。ネット情報は「信憑性に乏しい」といわれ、掲示板を悪用した株価操作が心配されているが、この点については「違法であるため、(悪用の)可能性は非常に少ない」とみている。
ただ、広田教授は「情報の信頼度が高まれば株価の安定的な売買に貢献するでしょうし、あまり信憑性がないとすれば、株価を大きく揺らす可能性はあります」と話す。
レポートでも、ネット掲示板が引き起こす「負の部分」も指摘している。
「多数の人々が掲示板に煽られて、誤った投資判断が連鎖することで、株価が本来の価格から離れていく危険性もある」