「セクハラ」「ワイセツ」 処分される大学教授急増

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   大学教授がセクハラや痴漢行為などで処分を受けるニュースが後を絶たない。2009年4月1日にも、女性職員が入ったトイレ入り口の扉をドライバーでこじ開け、のぞきをした豊橋技術科学の男性教授が出勤停止処分を受けた、というニュースが流され、話題になった。東京大学、北海道教育大学、琉球大学など全国の大学で様々なセクハラが次々と報道されている。なぜこんなにも「ワイセツ教授」が増えてしまったのだろうか。

電車内で下半身を露出した短期大学教授

   「ワイセツ教授」で新聞報道を検索すると、ここ半年間で相当数の記事が見つかる。岡山大学では50歳代の男性教授が、

「研究室に所属する20歳代の院生に、昨年11月、研究室の酒席で容姿に関するセクハラ発言をし、今年3月中旬には車の中で交際を迫った」(読売新聞08年10月16日)

として懲戒処分を受けた。岡山では他に、電車内で下半身を露出した倉敷市立短期大学男性教授の逮捕もあった。09年3月4日付け産経新聞によれば、09年3月4日午前0時15分頃から約10分間、JR山陽線の最終電車内で、同乗していた女子大生(22)ら3人に向けて下半身を露出。本人は「まったく覚えがない」と否認しているそうだ。

   東京大は08年12月24日、元男性教授と元男性准教授が女性職員や大学院学生にセクハラ行為をしていたと発表。女性職員の手を握ったり、性的な発言をするなどしていたのだという。北海道教育大学では、

「三人の女子学生にキスをしたりするなどのセクハラ行為をしたとして、五十代男性准教授を十九日付で懲戒解雇した」(日本経済新聞09年2月21日)

   裁判になったケースもあり、琉球大学では元大学院生の女性が指導教授にセクハラを受けたとして、教授と大学に慰謝料など計1150万円を求めた。教授が100万円を支払うことで和解が成立したが、08年12月12日付け朝日新聞によると、この教授は、

「女性と交際していたと認識していたが、訴訟を通じて、教授との関係は女性の意にそわないものであったことを理解した」

といっているそうだ。

岡山大は教職員の氏名や年齢、肩書などを公表

   また、セクハラのほかに教授が学生に威圧的な言動を繰り返すアカデミック・ハラスメント(アカハラ)も増えている。京都工芸繊維大は08年12月8日に60代の男性教授を停職2カ月の懲戒処分にした。この教授は修士課程の男子院生を少なくとも12回、研究室に呼びつけ実験の進行が遅いと叱責。「研究に向いていない」と8時間も暴言を浴びせ続けることもあったという。また、東京大学でも30歳代の男性准教授が複数の大学院の学生に「失敗したら責任を取れ」などの威圧的な言動を繰り返していたことがわかり、厳正に処分したと08年12月24日に発表している。

   それではなぜ、大学教授はこうしたハラスメントを起こしてしまうのだろうか。岡山大学はJ-CASTニュースに対し、近年、大学も一般社会と同じようにハラスメントが注目されるようになっていて、それまではハラスメントではない、と思われていたものでも「事件」として扱われるようになった、と説明する。

「結局は、時代の変化に対応できていない教員が存在している、ということだと思います。大学側として、ハラスメントはあってはならないこと。厳重な規制強化をします」

   岡山大は09年4月にハラスメントの調査・分析をする専門部署「ハラスメント防止対策室」を新設。学生からの相談を受け付けるとともに、セクハラなどで懲戒解雇や諭旨解雇となった教職員の氏名や年齢、肩書などを公表する事を決めている。こうしたハラスメント対策を実施する大学は全国的にも広がりを見せているが、「教授が単位を握っているからセクハラだと言い出せない」「事を大きくしたくない」という学生もいて、完全な解決はなかなか難しいようだ。

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