岡山大は教職員の氏名や年齢、肩書などを公表
また、セクハラのほかに教授が学生に威圧的な言動を繰り返すアカデミック・ハラスメント(アカハラ)も増えている。京都工芸繊維大は08年12月8日に60代の男性教授を停職2カ月の懲戒処分にした。この教授は修士課程の男子院生を少なくとも12回、研究室に呼びつけ実験の進行が遅いと叱責。「研究に向いていない」と8時間も暴言を浴びせ続けることもあったという。また、東京大学でも30歳代の男性准教授が複数の大学院の学生に「失敗したら責任を取れ」などの威圧的な言動を繰り返していたことがわかり、厳正に処分したと08年12月24日に発表している。
それではなぜ、大学教授はこうしたハラスメントを起こしてしまうのだろうか。岡山大学はJ-CASTニュースに対し、近年、大学も一般社会と同じようにハラスメントが注目されるようになっていて、それまではハラスメントではない、と思われていたものでも「事件」として扱われるようになった、と説明する。
「結局は、時代の変化に対応できていない教員が存在している、ということだと思います。大学側として、ハラスメントはあってはならないこと。厳重な規制強化をします」
岡山大は09年4月にハラスメントの調査・分析をする専門部署「ハラスメント防止対策室」を新設。学生からの相談を受け付けるとともに、セクハラなどで懲戒解雇や諭旨解雇となった教職員の氏名や年齢、肩書などを公表する事を決めている。こうしたハラスメント対策を実施する大学は全国的にも広がりを見せているが、「教授が単位を握っているからセクハラだと言い出せない」「事を大きくしたくない」という学生もいて、完全な解決はなかなか難しいようだ。