幼稚園と小学校、教師間交流も進む
環境の変化、家庭内の問題など、いろんな原因から「小1プロブレム」は起こるようだが、幼稚園、保育園と小学校が交流し、入学前に集団生活を身に付けさせようとしている。
文部科学省と厚生労働省は2009年4月から保育所保育指針と幼稚園教育要領を施行し、小学校との連携を推進する内容を盛り込んだ。
すでに交流を進めている県もある。2000年度からモデル地域を指定し、幼保・小一貫指導を推進している山口県。交流を体験した小学校の教師のコメントが「保育所や幼稚園等と小学校における連携事例集」(文部科学省、厚生労働省)に紹介されている。
「幼児教育の現場に触れ、子どもの立場に立った指導の実際がよく分かった。否定する言葉は極力使わず、ほめ励ますことがとても効果的に働いているのを見て、今までの自分の指導の在り方を反省させられた」
別の教師も、
「子どもたちは、遊びからたくさんのことを学んでいる。その遊びの要素を小学校低学年の授業に取り入れるなどして、幼児教育から小学校への滑らかな移行を図りたい」
と書いている。
ほかにも自治体によって体験入学させたり、入学前に児童と保護者の交流を行ったりしている。いずれも幼稚園、保育所が主体になっていることが多い。
東京都品川区教育委員会は「幼保・小1貫教育のプログラム」を作り、2010年度の導入を検討している。前出の指導課課長によると、小学校側に積極的に取り組んでもらうことが狙いだ。
共同でドッジボールや合奏などを体験させ、集団生活のルールを教えるほか、小学校の教師が幼稚園に行き、簡単な読み書きや算数を教えることも計画している。