移住体験の募集予約埋殺到
メディアに取り上げられたというのは、伊達市が取り組んでいる「伊達ウェルシーランド構想」だ。高齢者が住みよい街にしようという取り組みだ。たとえば、バリアフリーを施し、24時間対応緊急通報サービスがあるマンション2棟65戸を2005年、伊達市が「安心ハウス」として認定し、不動産業者が売り出した。「安心ハウス」への問い合わせは昨年、400件近く相次いだという。うち、100件ほどが北海道外から。今後、移住者が増えれば、同様の施設を増やすことも考えている。
また、伊達市は建築条件付きの分譲宅地「田園せきない」への移住者仲介もしている。現在、53区画中40区画は申し込み済みだ。半数は北海道外からだったという。仕事を退職した世代が、セカンドライフを過ごすために購入しているのだ。
さらに、ユニークなのは移住体験の募集。5物件10部屋の家具付きの賃貸物件で、2週間~1年ほど、短期間住むことができる。2008年は60組近くが参加して、これを機に10組程度が移住を決めたそうだ。2009年度募集を2月に行ったところ、6、7、8月は予約が埋まった。
伊達市内のある不動産業者は、
「多くの地方で人口減少が続く中、転入者が増え、世帯数も伸びているのは市の取り組みの結果ともいえるでしょう。うちの場合は、年間の不動産の販売数のうち、1割くらいが北海道以外からの移住者です。売り上げにもつながるので、助かります」
と話している。