37年もの歴史がある「カップヌードル」に入っている肉が変更されることになり、ファンから残念がる声が上がっている。あの一風変わったミンチ肉の味が楽しみだったというのだ。日清食品では、「チャーシュー肉にしておいしくしました」と説明するが、意外な反応に困惑ぎみだ。
「緊急事態ですよ あの肉ファンとしては!!!」
肉変更後の新カップヌードル
ミクシィには、なんと「日清カップヌードルの肉」というコミュニティがある。そこでは、日清食品が2009年3月25日、具材強化として、これまでのミンチ肉からチャーシュー肉に変えると発表するや、驚きの声が上がった。
「なんなんだよもぉ~~~~~!!!!!」
「緊急事態ですよ あの肉ファンとしては!!!」
「ありえないいいいぃぃ」
同日夕に立てられたトピック「大変です」に寄せられたものだ。早速、コメントを寄せた50人ほどでアンケートも行われ、「今の肉がいい」が約9割を占めた。コミュニティのメンバー数も、700人以上に膨らんでいる。
日清食品の発表によると、肉変更は「新しい進化、品質の向上の一環」で、4月20日から新カップヌードルを全国で発売する。新しく開発したチャーシュー肉について、「ジューシーな豚肉のうまみが特徴の本格的な角切りチャーシュー」としており、コロッとしたことから「コロ・チャー」と名付けている。そして、この具材強化で、おいしさがさらにアップするとしている。価格は、据え置きの170円。
もちろん、これまでのミンチ肉を嫌い、新開発の肉に期待する声も出ている。例えば、2ちゃんねるでは、一部で「お湯が微妙に染みきってないアレを食ったときの不味さったらもう・・・・」「大豆、豆腐の干からびた奴だw」とむしろ歓迎調の書き込みがある。
しかし、不思議な食感からか「謎肉」と名付け、その消滅を惜しむ声が多い。2ちゃんの書き込みでは、「あのケミカルなしょっぱさが良かった」「クズ肉を使ってるからうまいんや!!!」「ちょい早めに開けて少しサクサクがうまいのに」といったようなものだ。
日清食品「スープの味は変えていません」
日清食品の広報部によると、これまでのミンチ肉は、豚肉と野菜をミンチ状にしてから味を付けていた。これに対し、新しいチャーシュー肉は、豚肉に下味付けしてチャーシューにしてから加熱して仕上げている。より手の込んだ作り方だ。
カップヌードルは、「デビュー以来ほとんど変わらない味わい」を売りにしている。今回の肉変更で、その味を初めて変えることになるのだろうか。
広報部の担当者は、このことについて、「確かに、肉のおいしさはアップしています。しかし、カップヌードルの味は『スープの味』を指すと考えており、それは変えるわけにはいかず、変えていません」と否定している。
ただ、同社には、「残念だ」とする意見が数十件寄せられているといい、「ご評価の裏返しとして、真摯に受け止めています。新しいカップヌードルをお召し上がりいただければ、そのおいしさを実感していただけるのでは」と話している。
カップヌードルは、08年1月に155円から値上げされた後、売り上げが落ち込んだ。日清食品では、09年に入って売り上げが値上げ前に回復したとしているが、今回の肉変更にがっかりする声があるだけに、売り上げに何らかの影響を与える可能性もないとはいえない。
ファンの中には、なくなる前にまとめ買いをする動きもあるようだ。2ちゃんでは、「今のうちに箱買いしておこw」といった書き込みもみられ、実際に「さきほど肉食いたさにケースごと買ってきた! 発売されなくなったら転売しようかなw」との告白も出ている。これに対し、同社広報部では、「買い占めなどで注文が相次いでいるとは、特に聞いていません」としている。