50~70%引きは当たりまえ 高級ホテル「タタキ売り」状態

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稼働率「悪いときだと60%割る」

   ホテルの利用者が激減している理由は、世界的な金融危機と円高だ。もともと、外資系高級ホテルの利用者の多くは、外国人ビジネスマンや観光客。「外国人旅行者やビジネスの利用者が急激に減ったことが稼働率を落としている原因」(フォーシーズンズホテル丸の内東京)という。

   それに加えて、ここ数年来続いた開業ラッシュで、お客の奪い合いが鮮明になったこともある。2009年3月2日にオープンしたばかりのシャングリ・ラ・ホテル東京は、東京駅八重洲口にあるが、東京駅や日本橋、日比谷界隈にある外資系高級ホテルは4つ。これに帝国ホテル東京や、少し足を伸ばせば、ザ・リッツ・カールトン東京やコンラッド東京、ホテル・オークラといった高級ホテルがあるのだから、乱立ぎみではあった。

   ある外資系高級ホテルの関係者は、「1年前はまだ8割くらいの稼働率は維持できていた」という。それが現在は、「悪いときだと60%を割る」そうだ。

   それでも、空室を放っておいても売上げは上がらない。集客力を高めて稼働率を上げるため、オリジナルのパッケージ商品を投入。外国人利用者の減少を国内利用者で補ったり、レストランでの豪華ディナーやスパの無料利用などの付加価値を加えることで宿泊料金の割引率を抑えたりと腐心している。

   なかにはチェックインの時間が午後9時を過ぎると割引率が上がるなど、仕事帰りのビジネスパーソンを狙ったプランもあって、とても高級ホテルとは思えぬ企画に、その苦悩ぶりもうかがえる。

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