「貴重品は預けずに身近で管理した方がいい」
これは、違う会社の旅客機に荷物を積み替える際に多く起こるトラブルで、コンピュータ管理ではなく、積み荷表などを見てマニュアルで積み替えする場合に生じる。ただし、そんなケアレスミスのようなものばかりではないらしい。飛行場で働いている職員が、計画的に盗みを働くことが増えているというのだ。
パリのドゴール空港で、荷物運搬係が空港利用客のトランクなどから金品を盗み、逮捕された、というニュースが08年10月2日付けの西日本新聞に掲載された。逮捕された12人は同じ空港サービス会社の社員。盗んだ中身は宝石、トラベラーズ・チェック、パソコン、高級靴など多岐にわたり、その一部をネットオークションで売りさばいていたという。同空港では同様の組織的窃盗が常態化していて、「ターミナル2」だけで、07年の盗難届は621件。逮捕された元荷物運搬係は裁判で「係のみんなが盗んでいる」と証言している、という。
先の航空関係者は、海外で航空機を利用する場合、日本と同じように安全、安心だという考えは持ってはいけない、とし、
「自分の手荷物が盗難にあう可能性があることを前提に、特に貴重品は預けずに身近で管理した方がいい」
とアドバイスしている。