日本車の「品質神話」に陰り 「レクサス」がGM、ジャガーに抜かれる

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景気悪化で「長く品質のよいクルマに乗る人」増える

   日本車は「燃費のよさ」「品質のよさ」が売りものだった。この差がなくなってきたということは、日本車の優位性が失われつつあるということでもある。

   米国人にとって、クルマは成功の象徴でもあるから、多少壊れやすくても伝統や格式を重んじる。キャデラックやリンカーンなどが売れていたのもそのため。一方、「レクサス」や「インフィニティ」が投入された1989年以前の日本車には「安価な大衆車」のイメージがあって、米国で売るためには、その安っぽいイメージを払拭する必要があった。「レクサス」などの日本車はこの20年、「壊れにくい高級車」となって、売上げを伸ばしてきたのだ。

   JDパワーは「景気悪化で、品質やデザイン、エンジンのどれをとっても長持ちして、長く乗りたいと思うクルマを買おうという傾向にある」と、消費者意識の変化を指摘する。品質が劣るとみられていた「アメ車」だが、GMの「ビュイック」は03年に再設計してから毎年トップ10に顔を出す。故障が少なくなれば、ステイタスを重んじる「アメ車」は売れる可能性がある。

   トヨタは「調査の結果は知っている。不具合がとくに急激に増えていることはないし、いまのところ原因分析を行っているわけではない」(広報部)と話すが、景気浮揚を願う米国人は、心情的にも「アメ車」に向かうかもしれない。

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