「鳩山氏のスタンドプレーは目に余る」との批判の声
これには事情があるようだ。今回の郵政民営化見直し論議は、四分社化の見直しが「改革後退」と世論に評価されることを恐れ、現状維持にとどまった。自民党内で中川秀直元幹事長ら小泉・竹中路線支持派の反発を抑えることで、党内の分裂を避ける狙いもあった。
さらには自民党内では、かんぽの宿と東京中央郵便局の再開発問題などで続く鳩山総務相の言動や行動について、「鳩山氏のスタンドプレーは目に余る」との批判の声も出始めていた。麻生首相も側近に対して「鳩山氏はやりすぎだ」と漏らしているという。鳩山総務相がこれ以上、郵政民営化にブレーキをかけすぎると、世論の反発を買うことも予想される。小泉・竹中改革路線に異議を唱える鳩山総務相は、4月で任期満了を迎える郵政民営化委員会の委員を入れ替えることを狙っており、次期民営化委員会で小泉・竹中路線を根本から見直すのが当面の戦略のようだ。