松村邦洋のマラソン心肺停止 体重100キロは走れる体か

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専門家「僕なら止めていたでしょうね」

   しかし、デブキャラの松村邦洋さんには、大会主催者からも懸念の声が出ていた。大会会長の石原慎太郎東京都知事は、前回大会前の2008年2月15日、定例会見で、当時もMXテレビ番組で出場した松村さんについて「大丈夫か?」と首をひねり、「10キロやせたといっても、転がった方が早いのでは。無理しないでもらいたい」と述べていた。

   「賢く走るフルマラソン」の著者がある福岡大の田中宏暁教授は、心肺停止の原因は調べてみないと分からないとしながらも、松村さんの走り方がある限度を超えた可能性を指摘する。

   その限度のことを、田中教授は「ニコニコペース」と呼ぶ。このペースを超えると、心臓の酸素需要量が多くなり、心音が急激に高くなる。その結果、心臓へ十分な酸素を送り込めなくなり、負担が上がって、危険度が増すという。

   「太っている人やメタボ体質の人は、体重が重いので心臓への負担が大きくなります。ほかの人と同じスピードで走るのはきついので、要注意なんですね」

   102キロの体で挑戦した松村さんについて、田中教授は、「走れる体ではないように感じます。僕なら止めていたでしょうね」と指摘する。

   今回の東京マラソンでは、テレビ出演などのため芸能人や有名人も大挙して参加した。これに対し、田中教授は、たとえデブキャラでなくても安易な参加は危険だと警告する。

   「ほとんどの人は、ニコニコペースより速く走ってしまうからです。マラソンで3時間を切るランナーは、普段鍛えていて脈も遅いので、そのペースに近く走れます。ところが、普通の人は、感覚的にそれが分からないから怖いんですよ。ペースには要注意で、よほど分かって走らないといけませんね」

   ちなみに、東京マラソン事務局によると、今回は、心肺停止になったのが松村さんも含め2人いた。前々回の07年も2人いたという。

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