初恋の人からの手紙が届く、というネットサービスが話題を呼んでいる。もちろん、本当の初恋相手からの手紙ではない。7つの質問に回答すると、それをもとに初恋の人を想定した手紙が送られてくる、という仕組みだ。「当たっている」「妙にリアルだ」とブログで話題になっている。
「身に覚えのあるフレーズが並んでいる」
こんな具合に「初恋の人」から手紙が届く
名前(ニックネーム)、性別、生年月日の基本情報を入力したら、「恋愛って面倒くさいと思いますか?」「好きな人がいると仮定して、自分のことを相手におすすめできますか?」といった恋愛に関する7つの質問に、用意された3~5つの選択肢から選ぶ。
すると、「Aくん(登録した名前)、ひさしぶり」「Bちゃん、元気?」などの書き出しで始まる文面が表示される。800字以上もあり、読みごたえがある。
「書き出しから当たっていて、びっくりしましたよ」
と明かすのは、都内IT企業に勤めるMさん(30歳女性)。
どんな手紙だったのかを見せてもらうと、挨拶の後はこんな文章が続いている。
「もう肉じゃがくらいは作れるようになりましたか?『肉じゃが作れば女らしいんでしょ』と1人でキレていたMちゃんがなつかしいです」
Mさんは料理を覚えたての頃、まずは「肉じゃが」を作ろうとしていたことを思い出し、当たっていると感じたようだ。
ほかにも、「穏やかでかわいい雰囲気をかもしだしていたわりに自由人で手に負えなかったのを覚えています」「振り回されたけど、そのおかげで忍耐力もついたし、言いたいことを封じ込める技も身に付きました」など、身に覚えのあるフレーズが並んでいるそうだ。
また、「そろそろ顔だけで男を選ぶのはやめて(笑)、誰かと幸せになってください」「貸していたスラムダンク全巻、売ったって本当ですか?」というように、鋭いつっこみもあり、楽しめたという。
一方、30歳代後半の男性は、
「言葉遣いがきつくて、ちょっと違うなと思いました」
と話している。
1日のページビューは早くも300万突破
ブログ分析サイト「kizashi.jp」によると、2009年3月12日~18日に「初恋の人」という単語がブログで語られた件数は4459件にものぼる。09年2月25日までは100件台だったが、2月26日~3月4日に341件、3月5日~11日に2807件、と急上昇した。
ブログで手紙を披露している人もいる。「当たらずとも遠からずだよ」という人や、「なんか、「嫌味な手紙だなぁ~」という意見もあった。全体的には、当たっている、という意見が多いようだ。
開発したのは、ネットワークシステム開発会社、番長(東京都豊島区)代表取締役・坂口億彦さん。およそ1週間でプログラムを作ったそうだ。回答によって「感情が表に出やすい」「我慢する」「人に頼る」「強がる」などのタイプに分け、用意されたフレーズを組み合わせていくという仕組みだ。
「15歳の時に言いそうな言葉を盛り込んでいます。女性に対しては皮肉っぽく、男性にはきつい言葉を使い、胸にグサッと突き刺さるようにしています」
初恋には、甘いだけでなく苦く切ない思い出もある。適度に「恨み辛み」の言葉が混っているので、本物っぽく感じられるのかもしれない。