「婚約指輪は給料の3か月分」。そんな「伝説」はどこにいったのだろう。最近は30~40万円、「給料1か月分」が相場だそうだ。指輪のタイプも定番の1粒ダイヤの「ソリテア」だけでなく、小さなダイヤが密集した「パヴェ」などバリエーションが広がっている。
ダイヤの大きさより、デザインやブランドを重視
結婚情報誌「ゼクシィ」(リクルート)の「結婚トレンド調査2008」によると、婚約指輪にかける費用の平均は首都圏で37.4万円。ちなみに、調査を開始した1994年が55.8万円ともっとも高く、95 年が50.5万円、96年から97年は40万円後半となり、減少傾向にある。01年以降は30万円後半で推移している。調査は全国7366人に08年4月25日から6月6日、郵送で実施した。
そもそも、「給料の3か月分」を提唱したのは、ダイヤモンドで有名なデビアス社(本社:南アフリカ共和国)で、1970年代に販売促進のキャッチフレーズに使ったと言われている。バブル景気の頃は普通のサラリーマンでも買えたが、不景気下では給料の1か月分が現実的なラインなのかもしれない。
とは言え、一生に1回きりしかもらえない婚約指輪の相場が下がっていることについて、女性はどのように思っているのだろうか。
ゼクシイ編集部は、
「最近は色んなタイプがあり、女性のほうも、ダイヤの大きさより、デザインや好きなブランドを重視する傾向にあるようです」
という。
婚約指輪の定番は1粒ダイヤがついた「ソリテア」で、同調査によると購入者の4割が選んでいる。ところが、最近は細かなダイヤが指輪全体に密集した「パヴェ」や、土台にも小さなダイヤをあしらった「メレ」というタイプも人気を呼んでいる。質、大きさにもよるが、1粒ダイヤに比べて、少し安くなるようだ。
「ティファニー」の公式ホームページによると、代表的な婚約指輪「ティファニーセッティング」タイプの場合、0.25カラットのダイヤで22万2600円から、0.5カラットで46万6200円から、1カラットで131万9850円から、となっている。
30万円未満の婚約指輪を27タイプ展開する日本の4℃。30万円以上40万円未満のものも17タイプ揃える。
37万円は安い、それとも高い?
4℃のソリテアタイプ(2009年モデル)は、プラチナの土台に0.25カラットのダイヤがついたものが33万6000円。同じ大きさのダイヤに、アーム部分に小さなダイヤが埋め込まれたものが37万8000円。
また、エンゲージリングは「プラチナ」や「ホワイトゴールド」といった白い金属を土台にすることが常識だったが、最近はイエローゴールド、ピンクゴールドを使用したタイプもある。4℃ではイエローゴールドに0.20カラットのダイヤがついた指輪を17万8500円、ピンクゴールドも同じ値段で販売している。価格は公式ページを参照した。
このあたりが、平均予算の37万円で買えるラインだ。
「37万円は高い」と感じる人もいるようだ。
「Yahoo!知恵袋」に09年2月7日、こんな書き込みがあった。近々婚約指輪を買いに行くという女性は、前出の「ゼクシイ」調査で37万円が平均予算であるという記事を受けて、戸惑っている。
「彼は好きなものを選んでほしいと言ってくれてるのですが、
これからいろいろとお金もかかるだろうから、
あまり無理をさせたくないです」
ある回答者は、
「私の場合は結婚式、婚約指輪、結納は安く抑えて
結婚指輪は2人が気に入った物、
新婚旅行をその分、贅沢にしましたよ」
とアドバイスしている。
また、婚約指輪と結婚指輪を兼用する人もいるようだ。
「クラシックな立て爪のダイヤリングなんかにも憧れましたが・・・実際つけるトコないな~と思い、結婚&婚約兼用指輪ということで一からデザイナーさんと話ながら形を決めて行きました」
婚約指輪にお金をかけて欲しくない、と考える女性は結構いるようだ。
一方、37万円では満足しない女性も少なからずいる。
「予算が足りないからといって安く済ませようとする気持ちが理解できません。婚約指輪を頂くのは一生に1度なのですから、一緒に選べる場合は本当に欲しいものにするべきです。予算が足りないなら、貯めるまで結婚をしない、裏を返せば、それだけの思い、覚悟を持ってするものではないですか。とにかく、妥協なんてしたら、お互いに後で絶対、後悔すると思いますよ」
都内の会社に勤める30歳女性の感想だ。