政党の記者会見から、一部の記者が閉め出されるという異例の事態が発生した。矛先が向けられたのは、国民新党が以前に発表した経済対策について記事化しなかった報道各社だ。亀井静香代表代行は「徹夜で考えた。これを報じないのはおかしい」と憤っている様子なのだが、そうまでして伝えたかった内容とは、どのようなものだったのか。
ほとんどのメディアから「黙殺」されたことに立腹
国民新党は2009年3月18日に定例会見を開いた際、一部の報道機関の記者の出席を拒否した。会見場の隣室で待機していた記者に対して、党職員が「党3役からの伝言」として出席拒否を通告。記者側は抗議したが、結局は会見場に入れてもらえなかった。野党記者クラブは、同党に抗議する方針だ。
記者を会見から閉め出すだけでも異例の事態だが、特に珍しいのが、その理由だ。亀井静香代表代行は「徹夜で考えた経済対策を報じないのはおかしい」と主張。09年3月13日の会見で発表した経済対策が、ほとんどのメディアから「黙殺」されたことにご立腹の様子なのだ。
実際、経済対策について報じていたのは、毎日、読売、共同、NHKのわずか4社。掲載された記事も、毎日・読売はそれぞれ193字、145字で、いわゆる「ベタ記事」。綿貫民輔代表の地元の北日本新聞(富山市)は、共同通信から配信を受けたとみられる記事を511字にわたって掲載しているものの、全般的に見て、メディアの同党への関心の低さがわかる。自党の主張が世論に伝わらないことに「しびれを切らした」ことが、今回の会見出席拒否につながっている様子なのだ。
では、そこまでして世論に伝えたかった経済対策とは、どのようなものなのだろうか。国民新党が発表したのは、「緊急提言 平成経済不況をいかに打開するか」と題したA4版で2枚の文書だ。