2009年はなんとか食いつなげるが…
同社の発表によると、08年第4四半期の純利益は前年比47.8%減。広告収入も同17.6%減と、急激な減少を見せている。紙に代わり力を入れてきたインターネット事業の収入も同2.9%減と冴えない。これを受けて、09年2月にはメキシコの富豪カルロス・スリム氏に年利14%で2億5000万ドルを借り入れた上、09年3月にはマンハッタンの中心地に保有する自社ビルの一部を2億2500万ドルで売却、プライベートジェット機も売りに出しているという。
米国のメディア会社を調査しているフィッチ・レイティングサービスは「もっと多くの新聞社が債務不履行に陥るだろう。09年には数社が整理され、10年には新聞が全くなくなる地域が出そうだ」といい、米新聞社への見通しは限りなく暗い。
ニューヨーク・タイムズは本当に潰れるのか。ネット業界動向を伝えるブログ「メディア・パブ」を運営する田中善一郎さんは、
「売れるものをどんどん売り払い、また一部の記事を有料化するなどして、2009年はなんとか食いつなげるでしょう。ただ、2010年については良く考えないと厳しいと思います。広告売り上げを伸ばすのも来年まで無理でしょう」
また、日本の新聞社についても厳しい状況のようだ。
「これから部数も広告も増える、という可能性はかなり低い。かといってオンラインの売り上げも厳しい。日本でもポータルサイトは強いですし、英語圏に比べ市場規模が狭いですから」