ボーナス2~3割カットに不満 TBS労組が全面スト突入

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「下請けの待遇改善にもっと関心を持った方がいい」

   民放労連によると、このテレビ不況で、大阪のテレビ局も、TBSと同じぐらいのボーナス大幅カットの提示だったという。ただ、東京のキー局では、TBS以外はまだ出そろっていないといい、井戸書記長は、「TBSと同じようなことがないように願いたい」としている。

   日本は、未曾有の大不況下にあり、倒産する企業も相次いでいる。そんな状況の中で、春闘でストまで行うのは通常ありえることなのか。

   この点について、山口福祉文化大の高木郁朗教授(労使関係論)は、ストライキの実施は、景気よりも個別の事情によると話す。

「確かに、高度経済成長期には、取れるときに取るとストが多く見られました。しかし、斜陽化した石炭産業でも、1970年代にストが相次いでいます」

   実際、電機連合では2009年春闘で、定期昇給が実現されない場合は、ストを行う姿勢をみせている。

   そして、高木教授は、労働者のストについて、ある程度の理解を示す。

「不況だから、待遇について我慢しなさいというのは間違っています。アメリカで1930年代にあった大不況は、賃上げをし、ワーキングプアをなくしたことで、景気がよくなりました。我慢するとかえって経済を悪くします」

   ただ、規制に守られたテレビ業界については、高木教授は、こう疑問を呈する。

「自分たちが得てきた賃金や労働条件を維持したいというのは分かります。しかし、もっと大事なことがあります。テレビ業界は、重層的な下請け関係があり、下請けのワーキングプア状態を改善していく方向へ民放労連なども関心を持った方がいいと思います。もっとやることがあるのでは、ということです」
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