「ストリンガー氏もいっしょに責任を負うべきだ」との声も
しかし、今回の人事は中鉢氏だけがソニーの事業悪化の責任をとらされた感は否めない。実際、08年12月の大規模リストラ発表直後から、ストリンガー氏と中鉢氏の両者が退き、人心一新で経営の立て直しを図る可能性を指摘する声も出ていた。業界関係者からは「これまで二頭体制で来たのだから、ストリンガー氏もいっしょに責任を負うべきだ。中鉢氏だけが責任をとるのは不可思議」との声も少なくない。
また、技術畑出身の中鉢氏が退き、英国出身で米大手テレビCBS放送部門プレジデントなどを務めたストリンガー氏が全権限をもつことで、「ソニーの伝統である物作りの精神が薄くなってしまうのではないか」(業界関係者)と懸念する声も出ている。
ストリンガー氏を頂点としたソニーの新体制がいかにソニーの改革を進め、早期に経営を改善できるのか。注目が集まっている。