「うつ病」内科で薬処方 使い方誤り攻撃性増す?

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気分が上がってくるときの服用は危険

   SSRIは、1999年に日本で承認され、パキシルは2000年から発売された。今では、100万人以上が使うほどSSRIがポピュラーになったが、副作用が少ないというのは間違っていたのか。

   この疑問に対し、厚労省医薬食品局の安全対策課長は、こう説明する。

「うつ病の方は、いつも沈んでいるわけではなく、波があって、気分が上がってくるときがあります。そのような状態でSSRIを服用すると、気分を増幅させる危険があるのです。そして、半端ではない興奮状態になったり、怒りっぽくなったり、ときには人を傷つけたりするかもしれません。また、自殺リスクが上がることもありえます」

   つまり、精神状態を見て使わないと、意外な副作用が出てくるということだ。

   古典的な三環系は、使い方が難しいので、扱いに慣れている精神科の専門医が処方する場合がほとんど。ところが、SSRIは、副作用がきつくないので、内科医でも処方され、十分な注意喚起がないまま、気分が上がってくるときに使われている恐れがあるというのだ。

   ただ、うつ病患者は、薬を服用しなくても、気分が上向いているときなどに攻撃的になることがあるとされる。服用しなければ、自殺の危険も強い。従って、他害行為や自殺を防ぐためにも、投薬治療は必要だ。大切なのは、SSRIは、前述のように使い方を誤ると、副作用として「攻撃的反応」を増幅させると注意喚起することのようだ。

   厚労省は、どのように対応するのか。

   これに対し、前出の安全対策課長は、こう説明する。

「確かに、怖くなって薬を飲むのを止めたり、うつ病患者は危ないと思う人が出たりすると、害が大きいと思います。本来なら、精神科の専門医によく聞くのが大切でしょう。しかし、抵抗がある人もいて、呼びかけだけでは難しいと思っています。そこで、内科医などにも人を傷つけるような副作用の可能性があることを注意喚起してもらうよう、何らかの対策を検討しています」
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