虚偽記載で「注意勧告」を受けたのは4社
いったい上場企業の情報開示はどの程度信じられるのだろうか――。東証に上場する約2400社のうち、2008年に有価証券報告書の虚偽記載で東証から「注意勧告」を受けた企業は、真柄建設やIHI、丸善、ネットマークス(東証2部)の4社。このうち真柄建設は倒産した。
東証の上場規程に基づく情報開示を行わず、「口頭注意等」を受けた企業数は、08年度は09年1月までに190件。04年度以降は259、238、150、299件と、200件を割ったのは06年度だけ。
決算発表時に開示した情報に誤りがあって、後日訂正を届け出た企業数はここ数年、毎年2000件弱あるという。
粉飾というよりも、その多くは「悪意」のない単純なミスなのだが、上場企業としてはあまりにお粗末だ。
ある証券アナリストは、「四半期開示などで情報開示の機会が増えたので、企業の負担はかなりきつくなっている」と、企業を庇う。会計ルールの変更が重なって作業が煩雑になったこともある。
しかし、業績をよく見せることで資金をかき集めるなど、「資金手当てで無理すると、そういったところから綻びが生じる。不況だと余計に無理せざるを得ない場面が出てくる」(前出の証券アナリスト)。投資家は注意するに越したことはない。