「どんどん高くなる修繕積立金を本当に全員が払えるでしょうか」
築15年の超高層マンションの大規模修繕の事例を朝日新聞が2008年11月4日に取り上げている。高層階でのゴンドラ作業は風が吹くと中止となり、工事期間は10か月と長引き、3億円という費用がかかった。修繕費の3割は足場の設置代が占めたという。
社団法人高層住宅管理業協会の担当者は、大規模修繕工事の具体的な費用について、「長期修繕計画はあくまで『案』であることから、金額がいくらかかるのかは正確にはわからない。物価や材料費の影響で工事の費用が変わる可能性もある」と話している。しかも、タワー型マンションは大規模修繕工事を実施した事例は少ない。データやノウハウが少なく、工事費用が算出しにくいそうだ。
あるマンション業界の関係者によると、積立金が途中から高くなることをしらず、修繕費が払えずに立ち退きを余儀なくされてしまったケースもあったという。そして、ネット掲示板でも「管理費・修繕積立金を払えなくなる人も続出すると思いますよ。10年後、20年後にどんどん高くなる修繕積立金を本当に全員が払えるでしょうか」などと書き込まれており、大規模改修工事を不安視する向きがある。