覚せい剤仲間をインターネットの隠語で「キメ友」と呼ぶ。そんな「キメ友」を探す出会い系サイトの管理者が2009年3月5日に麻薬特例法違反ほう助の疑いで逮捕された。薬物関連のサイトの管理者が摘発されたのは全国で初めてだというが、パソコンやケータイで検索すれば、「キメ友」の募集サイトがたくさん見つかる。そこではいったいどんなやり取りが行われているのだろうか。
薬物を対価に援助交際も
今回摘発されたのは埼玉県の無職の女性(34)。08年3月に広告料で稼ぐことを目的に開設。08年11月から09年2月まで約11万件のアクセスがあったという。覚せい剤の譲渡や、使用などをあおったとして摘発された。
摘発のきっかけは、08年10月に覚せい剤取締法違反で逮捕された千葉県の女性が、このサイトを使って入手したと自供したため。その時の掲示板には「2種類あり。量もたくさんありますので、一緒に無理ない楽しい時間を過ごしませんか?」という千葉県の会社役員の男の書き込みがあり、それに応じたのだそうだ。
こうした「キメ友」募集サイトを介した覚せい剤取締法違反の事件は07年から目立つようになった。
「女子高校生(16)に覚せい剤を打ち、18歳未満と知りながらわいせつな行為をした疑い。少女とは、『キメ友』という隠語を使い、薬物を対価に援助交際をする出会い系サイトで知り合った」(朝日新聞07年1月12日)
08年4月に起きた東京江戸川区の19歳女性の行方不明事件でも、逮捕された男性容疑者が「キメ友」サイトを利用。産経新聞は08年4月18日に
「容疑者は隠語を使い、出会い系サイトの掲示板で覚醒剤を一緒に打つ女性を募っていたことも判明。警視庁捜査一課は、容疑者が薬物に興味を持つ女性を誘い出し、連れ回しを繰り返していた可能性もある」
と書いている。