野球の国際大会「ワールド・ベースボール・クラシック」が2009年3月5日、開幕した。06年に行われた第1回大会の優勝国・日本への注目度、期待度は大きい。開幕戦が行われた東京ドームにファンが駆けつけただけでなく、各地の飲食店・スポーツバーなどでは応援が盛り上がり、据え付けられたテレビの前などで侍ジャパンのプレーに熱狂した。
強化試合の平均視聴率はおよそ20%
WBCアジアラウンドの開幕に盛り上がる来店者のみなさん
WBCへの注目度は開幕前から高かった。合宿を行った宮崎県では、連日の大観衆。特に、読売ジャイアンツとの練習試合には、球場の収容人数が3万人にも関わらず、4万5000人もの人々が詰め掛けた。16日~22日のキャンプ期間中、侍ジャパンの人気は衰えることなく、最終的には計24万人のファンが球場へ殺到した。そして、宮崎市内からスタジアムへと続く国道220号宮崎南バイパスでは、最大5キロの渋滞もあった。
また、2月24日、25日に行われたオーストラリアとの強化試合も盛り上がった。24日の試合前には、大阪・京セラドームで売り出された当日券1200枚が、1時間ほどで売り切れた。翌25日の前売り券も売り出した際にも、100人が列を作ったという。オーストラリア戦の平均視聴率は24日が関東地区で20.8%、25日は18.1%。国際試合は、のきなみ高視聴率を記録している。
さらに、代表メンバーが大阪から東京に移動しようものなら、JR新大阪駅は一目見ようと大混雑。ダルビッシュ有投手(日ハム)が2009年2月26日に更新したブログでは、田中将大投手(楽天)が駅のホームでファンに囲まれている様子が報告されていた。
村田修一選手のホームランに大喝采
もっとも、WBCで盛り上がっているのは選手やファンだけではない。関連商品もラインナップされている。オフィシャルスポンサーのアサヒビールはWBC限定日本代表デザイン缶ビールを、ミズノはレプリカユニホームを発売した。また、コナミのWii /PS2用ゲーム「実況 パワフルメジャーリーグ2009」には「WBCモード」が搭載されている。野球日本代表公式グッズの中には、「野球日本代表 まりもっこり 根付け」などもある。マクドナルドでも、クォーターパウンダー・チーズセットなどの対象セットを購入すると、「WBC 日本代表応援ファイル」をプレゼントするキャンペーンを実施中だ。
そんな中、マクドナルド秋葉原ソフマップ店では3月5日、WBC東京ラウンド開幕に合わせて「WBC日本代表応援ショップ」をオープン。店内には前出の「応援ファイル」に掲載されている選手の肖像・応援メッセージを用いた飾り付け、WBC公式の関連グッズの展示もあった。
そして、この店舗の特徴は、50インチの大型テレビを据えたビューイングスペースを設置したことだ。さらに、この日は特別に「日本代表応援ファイル」を配布し、応援する時には「日本はヤる」「日本パワー解禁」などと書かれたファイルが掲げられていた。
ビューイングスペースの来店者は20代の若い男性客やカップル、仕事帰りのサラリーマンなどで選手のプレーにはまさに釘付けになっていた。ヒットが出れば顔の表情が一変してほころばせていたし、「よし」「やったー」という声がもれた。
得点したときには、思わず周囲のお客さんと乾杯するサラリーマンのお客さんもいたし、最前列で観戦していた男性は、選手がバッターボックスに入るときに檄を飛ばし、それぞれに試合を楽しんでいた。
もっとも、この日一番の盛り上がりは3回裏に起きた。先取点を加え、2死2塁の場面。5番打者の村田修一選手がレフトスタンドにホームランを打ち込んだとき、ビューイングスペースで観戦をしていたファンは、大きな拍手で村田選手をたたえていた。