日興の行方次第では大和の地位が崩れてしまう状況
大和の経営方針は失敗と批判されるものではない。ただ、大和社内では「経営陣も社員も野村HDの背中を追うことに満足し、安心している。リスクを取らない営業姿勢ではいずれ転げ落ちてしまう」と、「石橋をたたいても渡らない」かのごとき経営姿勢に疑問の声も聞こえる。
ある証券会社の役員はこう話す。「日興コーディアル証券を買収した会社が野村HDに次ぐ証券会社になり、2強時代が当面続く」。大和が日興を買収すれば野村HDの強力なライバルのままだが、日興の行方次第では大和の地位が崩れてしまう状況に直面している。大和の慎重姿勢が業界再編に与える影響は小さくなさそうだ。