「自宅待機」が最近になって目立ってきた
労働基準法によると、会社側の都合により労働者を休業させた場合、平均賃金の6割以上の「休業手当」を支払わなければならない。
採用をしたが仕事がない、という事業者のために、必要な費用の一部を国が助成する「雇用調整助成金」がある。08年12月から緊急雇用対策の一環として、新卒者や非正社員らについても支給の対象とした。厚生労働省の若年者雇用対策室は、
「この制度を利用して急場をしのぎ、雇用確保に努めてほしい」
という。さらに、
「各ハローワークで特別相談窓口を設けており、大学とも連携を行っている」
とも話す。
大学側の取り組みはどうなのだろうか。ある東京の私立大学のキャリアセンターは、「自宅待機を命じられた」というケースが最近になって目立ってきた、と明かし、自宅待機学生の意思にそった形のアドバイスを試みているという。
「悩んでいるのなら、一刻も早く相談に来ていただければ、全力を挙げて就職支援をします。『その会社に入りたい』と強く望んでいる場合はそれを尊重しています。今の時代、どの会社でもリスクはありますから」
また、学生への救済措置として「希望留年制度」を取り入れているほか、既卒者への就職支援も行っているので、母校に帰って求人を探してみる手もあるとアドバイスしている。
ただ、今後不況が一段と深刻化するにつれ、内定取消や自宅待機が増加するのでは、と強く懸念している。