若者2人に1人「花粉症」予備軍 根本的治療法はあるのか

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舌下法は保険が効かないので年間5~6万円かかる

   ところが、舌下法は厚生労働省の認可が下りていなく、実施している病院が少ない。さらに保険が効かないので年間5~6万円かかるという問題もある。

   他にもアレルギー成分を取り除いた花粉エキスを用いる「ペプチド免疫療法」や細菌のDNAと抗原がくっついた「DNAワクチン療法」、他の物質を結合させた修飾抗原による「免疫療法」などが試験段階で、実用化への期待が高まっている。

   前出の山形大の太田先生は、こう訴える。

「若い人の2人に1人が花粉症予備軍だと言われ、患者数は増える一方ですので、早くに安全な治療法が確立されて、大学病院以外でもどこでも治療ができるようにする必要があります」

   もっと手軽に減感作治療ができないか、と、こんな試みも進んでいる。農林水産省が補助金を出し、農業生物資源研究所(茨城県つくば市)と日本製紙は、「スギ花粉症緩和米」を06年から開発している。

   遺伝子組換え技術を利用し、アレルギーの原因となるスギ花粉に含まれる抗原決定基(エピトープ)を米の中に組み込んだ。この米を食べることで、徐々に体に花粉が入ってきたと錯覚させ、症状の緩和につながる。

   機能性食品として発売する予定だったが、厚生労働省から医薬品にあたると指摘を受け、「実用化の目途は立っていない」(日本製紙)。食べられるのはだいぶ先になりそうだ。

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