認定保育所(保育園)への申し込みが殺到している。東京都内で待機者がもっとも多い世田谷区の場合、2009年4月入園の第1次募集枠1800人に3376人が申し込んだ。大型マンションが建設されて子育て世代がたくさん転入しているほか、不況で家計が厳しくなり、妻が働かざるを得ないというケースも増えていそうだ。
世田谷区、1800人の募集枠に3376人が殺到
東京23区では保育園に申し込みが殺到している。都福祉保険局によると、08年4月時点で待機児が多いのは、1位世田谷区、2位練馬区、3位大田区。江戸川区、板橋区、荒川区でも200人以上が待機している。09年4月にはもっと深刻になりそうだ。
保育園は、保護者が仕事、病気、介護などで、家庭で十分な保育を受けることのできない就学前の乳幼児を預かる施設。0歳から預かるところもある。定員を上回った場合、自治体が、保護者の労働状況(フルタイムかパートか)、同居家族の有無などを考慮し、保育の必要性が高い人から順に選ぶ。保育料は児童の年齢や家庭の所得税額によって変わる。認証保育所(東京都の認証を受けた保育施設)や認可外の私立の託児所よりも安いので人気だ。
そうした状況を受けて、子供を保育園に預けたいが、「入れなくて困っています」という悩みがネットにたくさん書き込まれている。
3才9か月の娘を持つ東京都在住の女性は、「教えて!goo」に09年2月2日、こう書いている。
「保育園に入れなさそうです。今住んでいる場所は認可で待機児童が250人位いると役所の方から説明を受け、このままでは(娘は)4月以降家で過ごす事になってしまいます。私は働いていますし、約2年前に地方から引っ越して来たので周りに頼れる人もいません」
都内で待機者がもっとも多い世田谷区。09年4月入園の第1次募集枠が1800人のところ、前年に比べて約2割増の3376人が申し込んだ。保育園の定員を05年4月から08年3月までの3年間で1000人増やした、にもかかわらずだ。08年4月から2011年3月までにさらに1000人増やす計画を進めているが、その矢先に急激に増え、区役所保育課長は困惑している。
「大型マンションが建設されて子育て世代がたくさん転入し、就学前児童の人口が増えています。それにしても1年で大幅に増え、原因を分析中です。3年間で1000人増やす計画を、前倒しして進めていくしかありません」