「扉開いても、すぐ乗り込んではいけない」 エレベーター連続転落死の教訓

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自動式扉でも同じ事故は起こり得る

   東京都昇降機安全協議会の担当者も、

「乗り場側の扉とかご側の扉が連結しているので、普通はありえません」

と話している。

   では、開かないはずの扉がなぜ開いたのか。考えられるとすれば、ロック装置が摩耗していた場合だ。

   建築基準法では年1回以上検査するよう定められている。検査資格を持った者がリフトの上に乗り、リフトと乗り場側の扉が連結して開閉するかを確認する。一方で、「ロック装置の摩耗は完全にはチェックできない」ともいう。

   エレベーターメーカーがロック装置の交換基準を定めている。あるメーカーは、起動頻度が一定以上で交換するとしているが、別のメーカーは装置の部品のすり減り程度で取り替える、というように異なり、基準が統一されていないという問題が浮かび上がる。

   全国にあるエレベーターは63万台(08年3月末、日本エレベーター協会調べ)。手動式扉は業務用に多く、人が乗るエレベーターでは稀だ。しかし、前出の都昇降機安全協議会の担当者は、こう指摘する。

「自動式扉でも連結ロックの構造が同じなので、同じ事故は起こり得ます」

「扉が開いたら、リフトがないかもしれない」と疑い、いちいち確認して乗る必要があるのかもしれない。

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