スポーツ紙に「無謀」とまでいわれた 曙の東京マラソン挑戦

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   今年で3回目を迎える「東京マラソン」の開催が迫る中、ある格闘技選手の取り組みに注目が集まっている。元横綱で、現在は格闘技の場で活躍している曙太郎選手(39)が、必死のトレーニングを行っているのだ。練習中には、ひざの痛みで動けなくなる一幕もあり、スポーツ紙は「無謀かつ危険」などと酷評。ただ、ブログなどを見ると、本人は至って真面目なようなのだ。

「ドクターストップをかけさせていただいた方が無難」

   東京マラソンは2009年3月22日の開催予定で、フルマラソンは3万人、10キロの部では5000人が都心を駆け抜ける。3万5000の出場枠に対して、過去最高の26万1981人が応募。7.5倍という高倍率だ。さらに、今大会からは、優勝者に1000万円の賞金が出ることも発表されており、例年に増して注目を集めそうだ。

   東京マラソンは日本陸上競技連盟と東京都の主催なのだが、「共催」には、フジテレビ、産経新聞社、読売新聞社、日本テレビ、東京新聞のマスコミ5社が名を連ねている。フジテレビは、今大会のテレビ中継を担当する。

   そんな中、同局のスポーツバラエティー番組「ジャンクスポーツ」の企画で、スポーツ選手らが「ジャンクアスリート」として、東京マラソン(フルマラソン)に出場することが明らかになったのだ。出場するのは、格闘家の魔裟斗選手や、元野球選手の金村義明さんなど5人。その中でも異色なのが、大相撲から格闘技に転身した曙選手だ。曙選手は、力士時代は通算11回の優勝を果たすなどして相撲人気を支えたが、引退・格闘技転身後の成績は低迷。現在でも体重は200キロ以上あるとされ、とても「マラソン向き」とは言えないコンディションだ。

   実際、同番組の2月15日の放送でも、横綱時代の活躍の様子を曙選手の子どもたちは知らないことから、

「口ではなく、行動で立派な姿を見せる。子どもに、それを焼き付けて欲しい」

と意気込みを語るものの、レントゲンやMRI撮影などを行ったところ、膝関節にあるはずの半月板が、ほぼなくなり、内臓脂肪が成人男性の平均と比べて3.5倍もあることが発覚。医師からは

「現時点では、ドクターストップをかけさせていただいた方が無難なのでは」

との言葉も漏れていた。

「現時点での見通しは『ミッション・インポッシブル』」

   それでも曙選手は2月9日から本格的なトレーニングを続けているといい、連日、ブログでも練習の様子を紹介している。

「毎日練習をしていて、調子もバッチリですよ!この挑戦を受けた理由の一つは、体形をもとに戻すためです。練習は厳しいけど、楽しんでやってますよ。」(2月13日)
「サポートはすべて整っているので、あとは自分次第!!」(2月16日)
「朝から順調にトレーニングをして来ました。ちょっと凝りや筋肉痛もあるけど、頑張って続けて行きます。」(2月17日)

   これらの文章からすると、「練習は至って順調」にも見えるが、2月25日にスポーツ各紙に練習の様子が公開され、見通しは必ずしも明るくないことが明らかになったのだ。曙選手は、この日から千葉県内で合宿に臨んでいるのだが、古傷のひざを痛めて動けなくなるというアクシデントに見舞われたのだ。この様子を、各紙は

「現時点での見通しは『ミッション・インポッシブル』」(スポーツ報知)
「このままでは無謀かつ危険な挑戦で終わりそう」(東京中日スポーツ)
「常識的には無謀な挑戦」(デイリースポーツ)

などと酷評。東京マラソンはスタートから7時間以内にゴールしなければならないという時間制限があり、平均時速6キロ程度で移動しなければ完走は出来ない計算だ。一般的には、成人男性が歩く速度は時速4~5キロだとされており、完走のためには、「早歩き」の状態を7時間続ける必要がある。現在の曙選手の状態では無理なことははっきりしている。

   それでも曙選手は、この日の様子をブログで

「歩いて、歩いて、歩いて、まだ歩くのかってくらい歩いてばっかりです。大変だけど、今の僕には必要なんだ。これまでは何キロまで持ち上げながら動けるかって練習で、約200kgのベンチプレスをしたりと面白かったんだけど、今はどのくらい長く動いていられるかっていう練習をしているんだ。全力を尽くして頑張るよ!」

と振り返り、「やる気満々」を訴えている。

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