落としどころがまだまだ見えない状況
そればかりか、定昇分を保つことも難しいとの指摘も広がりつつある。電機連合傘下の労組は、前年(2000円)の2倍を超える4500円のベアを求めているが、経営側からは、「ベアを回答できる状況にはない。(定昇に相当する)賃金体系維持があって当然、という考えは成り立たない」(日立製作所)との声が上がった。
労組側にも厳しい経済環境への理解はある。しかし、「個人消費の落ち込みを食い止め、内需拡大で雇用維持につなげるべきだ」(自動車総連の西原浩一郎会長)との筋論も捨てがたく、簡単に要求を降ろせない。非正規雇用を含むワークシェアリングの論議も含め、今春闘は落としどころがまだまだ見えない状況が続く。