ベストセラー上位登場の珍事 金融危機で売れるカタイ「経済本」

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何とかヒントを、とビジネスパーソンも必死

   書店大手の紀伊国屋書店によると、ビジネス本(社会科学書)の09年1月月間ランキング上位50冊に、「金融危機」「世界恐慌」「資本主義」のキーワードがタイトルに付けられている本は9冊あった。「資本主義はなぜ自壊したのか」(中谷巌著、集英社インターナショナル刊)が第3位、第9位に「暴走する国家 恐慌化する世界」(副島隆彦 佐藤優著、日本文芸社刊)が登場し、ベスト10入りしている。なかでも、「資本主義はなぜ自壊したのか」は08年12月発売で、同月の43位から押し上げた。

   日本や世界の近未来を予測する本や、「経済学」の入門書などの骨太の経済本も伸びている。

   ちなみに、07年2月の第1位は茂木健一郎著「脳を活かす勉強法」。ふだんであれば、こうした発想力や勉強法、仕事術に関する本や、資産運用や投資に関する本がランキングされるが、08年9月のリーマン・ショック以降の急激な景気悪化でランキングにも異変が起こったわけだ。新聞や雑誌などでも「金融危機」「世界恐慌」の文字を目にするようになったこともあり、それらの相乗効果で売れていることもある。

   雇用不安や給与カットといった現実が身近に迫ってきたこともあって、自己防衛のために、手にした経済本から何とかヒントを得ようと探るビジネスパーソンの姿が浮き彫りにされている。

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