「へべれけ会見」も日本経済に対する不安を募らせる
08年10-12月期の実質GDPが2ケタのマイナスとなった日本経済は、実体的には世界最悪といってよい。たとえば、アジアでは香港や上海の株式市場がジワリとだが上向いてきた。GDP成長をみれば、日本はマイナス成長、中国は鈍ったとはいえ約6%の成長率にある。中国に資金が流れても、なんの不思議もないわけだ。
それに加えて政局の混乱も日本経済に対する不安を募らせる要因となっている。なかでも、あの「へべれけ記者会見」だ。前出の島峰氏は、「G7での中川昭一財務金融相の記者会見も(日本売りの)きっかけの一つと思われます」と話し、そういった要因がからまって、結果的に「日本売り」につながっているとみている。
「いまのところ金融政策では、米国のほうが緩和策を積極化していますから、輸出企業の業績にプラスになる水準(1ドル=110円程度)に到達するまで、まだ時間がかかるでしょう。来年以降ではないでしょうか」(島峰氏)
「円安→輸出企業の株価上昇」はしばらく望めないようだ。