GDP2ケタ減に「へべれけ会見」 円安に株安と「日本売り」状態

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   ジワリと、円安が進んでいる。ほんの1か月前までは米ドルもユーロも値下がりして「円独歩高」とさえ言われていたのに、円売りが進んできた。2009年2月16日に発表された08年10-12月期の国内総生産(GDP)が2ケタ減だったのに加え、中川昭一財務金融相の「へべれけ記者会見」も日本の評価を下げているようだ。その一方で、株価は下落基調のままで、日本の信頼度が薄れ、「日本売り」も進んでいる。

日本の信頼度が薄れつつあって、資金流出が止まらない

   2009年2月20日の東京外国為替市場は1ドル94円台で推移。95円台となると、08年11月以来の円安水準だ。リーマン・ショック以降の急激な円高に苦しんできた輸出企業にとって、朗報のはずの円安。ところが、自動車メーカーなどの輸出関連株の動きはさえない。日経平均株価も下落基調のままだ。

   円安と株安、この「セット」の下落は、日本の信頼度が薄れつつあって、資金流出が止まらない状態にあることを示している。つまり、「日本売り」だ。

   第一生命経済研究所主席エコノミストの島峰義清氏は、こう説明する。

「円安は本来、輸出型産業に負うところが大きい日本にとって悪い話ではなく、株価を押し上げる要因になると考えられていますが、株式市場では外国人投資家の動向で株価が決まっている傾向がまだまだ強いということです」

   たしかに、東京証券取引所が2月19日に発表した東京、大阪、名古屋の3市場(1、2部)の2月第2週(9~13日)の投資家別売買動向によると、外国人投資家は5週連続で、「売り」が「買い」を上回る売り越しとなった。売り越し額は1963億円にも上り、1月からの累計で1兆2000億円もの資金が流出したことになる。

   外国人投資家が日本株を売ることで、「円安になる→輸出企業の収益にプラスになる→株価上昇」とは、まるっきり反対になってしまっているわけだ。

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