無料インターネット電話として有名なソフト「スカイプ(Skype)」が、いよいよ携帯電話の分野にも本格急進出を果たすことになった。スカイプをあらかじめインストールした携帯端末が、大手携帯電話端末メーカーから発売されることになったのだ。無線LANが通じたり、ケータイでのデータ通信が可能なところであれば、どこでも「基本料金だけで通話し放題」が可能になる形だ。携帯電話各社は、どのような影響を受けるのだろうか。
ノキア端末が国内で発売される可能性は皆無
スカイプが搭載されるノキア「N97」
フィンランドの携帯電話メーカーのノキアと米イーベイ傘下のソフトウェア会社・スカイプは2009年2月17日、提携関係を結んだことを発表した。ノキアの端末にスカイプを組み込むことが合意内容の骨子で、ノキアの「Nシリーズ」から搭載が始まる。具体的には、09年6月に発売予定の3.5インチのタッチパネル付きスマートフォン「N97」に、09年の第3四半期(7月~9月)の初旬からスカイプの搭載が始まる。発売当初の「スカイプ非搭載版」を購入した人も、事後的に内部のソフトを更新し、スカイプを利用することが出来るようになる。
発表によると、同機種では無線LANや3Gを利用して、スカイプによる音声通話が可能になるという。なお、ノキアは08年時点で、一部の高級携帯電話以外は日本の携帯電話事業から撤退しており、この端末が国内で発売される可能性は、皆無と言って良い。ただ、国内でこの端末と同様のものが発売され、「パケット定額」のような料金プランを利用した場合、事実上の「話し放題」の環境が登場する可能性が高い。
もっとも、「ケータイ上でスカイプを動かす」というのは、決して今回のノキアのケースが初めて、という訳ではない。例えば07年には、欧州や香港、マカオなどで、スカイプを搭載した、いわば「スカイプケータイ」とも呼べる3G端末が発売されているほか、08年には、モトローラやソニー・エリクソン製のケータイ端末にスカイプをインストールできるようになっている(日本はサービス対象外)。