週刊新潮は09年2月26日号で、朝日新聞の記者2人が死傷した「朝日新聞阪神支局襲撃事件」(1987年)の「実行犯」を名乗る男性の「実名告白手記」第4回を「最終回」として掲載した。この中で新潮は、男性の「元妻」のコメントを掲載、記事の信憑性に疑問を呈した週刊文春に対して反撃し、「元妻」に「謝罪料」を払っていたなどと暴露した。
「間違っている点が多々ある」と指摘
この「実名告白手記」は、週刊新潮09年2月5日号から島村征憲氏(65)が全4回にわたり、襲撃の「実行」を告白しているもの。この手記に対し週刊文春は2週にわたり反論記事を掲載。09年2月19日号では、島村氏の「元妻」が同氏について、「あの人がこんな事件をできるわけがない」とし、「刑務所を行ったり来たりの生活で、本当に犯人なら警察が捕まえているはず」と証言していた。
しかし、週刊新潮の第4回手記では、週刊文春の記事に対して真っ向から反論している。これによると、島村氏の「元妻」は文春への証言に「記憶違い」があったとして「コメントを使わないように申し入れた」という。だが、証言は掲載され、文春に「抗議」したところ、「担当記者が謝罪」し、「『謝罪料』まで支払った」というのである。また、「島村の親族」とされる人物も登場し、「文春には約束を破られただけでなく、記事には間違っている点がたくさんあります」と指摘している。