円高差益還元の動き出始める ニトリ、西友が大幅値下げ

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   円高が進み、差益分を還元する会社が出てきた。ニトリは2009年2月21日から300品目の家具、カーテン、カーペットなどを平均17%値下げする。西友もホーム・インテリア用品1400品目を10~40%、輸入生鮮食品も約24%下げる。値下げの動きは2009年3月以降、さらに広がりそうだ。

ニトリ、1300品目を平均20%値下げ

   大手家具のニトリ(本社:札幌市)は家具60品目、カーテン、カーペットなどホームファッション商品240品目の計300品目を、平均17%値下げする。3万9900円のソファーが2万9900円に、3990円のカーテンが2990円になる。

   08年5月以降に実施した3回の値下げと合わせて、累計約1300品目を平均20%下げている。全8000品目のうち16%にあたる。

   広報担当者は安くできる理由について、

「中間に業者をはさんでおらず、輸送、貿易にかかるコストを削減していることや、円高差益も追い風になっています」

と説明する。

   08年3~5月の既存店売上高は前年を下回っていたが、値下げを始めた08年6月以降は前年を超えている。11月は113.4%を記録した。

   大手スーパーの西友は、ホーム・インテリア用品、家庭雑貨、家電製品1400品目を09年1月から従来価格より10~40%値下げした。さらに、円高差益還元として2月から輸入生鮮食品を値下げする。米国産豚ロースの店頭価格を全品目100g あたり127円から97 円に引き下げている。値下げ幅は約24%。また、米産グレープフルーツ1個97円から89円、インド・インドネシア産えび中16尾は498円から397円、ブラックタイガーえび大12尾は598円から498円にそれぞれ値下げする。

3月以降にすごい勢いで物価下がる?

   外食業界にも値下げは広がっている。マクドナルドは平日限定の割安なランチメニューを1月19日から関東限定で始めていたが、2月9日から近畿圏を除く合計約3000店舗に拡大。ポテトとドリンクが付くバリューセットが対象で、「えびフィレオ バリューセット」は通常価格の610~650円を490円に、「チキンフィレオ 同」は580~620円を490円に、「チーズバーガー 同」は470~490円を390円に値下げした。

   ワタミはビール、サワーなどアルコール類を09年2月9日から値下げ。生ビールは従来価格よりも13~17%安くなる。

   こうした値下げは円高と直接関連はしていないが、背景には原材料価格などが円高のせいで下落していることがありそうだ。

   日本経済センター、研究統括部短期予測班は、

「物価は1月から徐々に下がっており、3月以降にすごい勢いで落ちるとみています。2000年のデフレ期よりも下がる。08年に原材料高などで値上げしていた分が、そのまま値下げに転じるんじゃないでしょうか」

とみている。

   もっといろんな商品を値下げしてもいいのではないか、という声も消費者から上がっている。

   日本総研、調査部の小方尚子主任研究員は、

「商品によって価格に転嫁できるスピードが異なります。ガソリンの場合、原油価格が反映されるまでの期間が短いので、すでに下がっていますが、電気、ガスは燃料費が反映されるまでに6か月かかります。また、加工製品の場合、高い時に買った原料を使い切るまで、下げられません。そのため加工度が低い商品の方が、早く下がります」

と説明する。

   また、こうも指摘する。

「08年にいろんな商品が値上げされた一方、景気が悪い中で値上げすれば消費者離れが起こってしまうとして(値上げ)できない企業もありました。それもあって、下げられないという事情もあるようです」
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