3月以降にすごい勢いで物価下がる?
外食業界にも値下げは広がっている。マクドナルドは平日限定の割安なランチメニューを1月19日から関東限定で始めていたが、2月9日から近畿圏を除く合計約3000店舗に拡大。ポテトとドリンクが付くバリューセットが対象で、「えびフィレオ バリューセット」は通常価格の610~650円を490円に、「チキンフィレオ 同」は580~620円を490円に、「チーズバーガー 同」は470~490円を390円に値下げした。
ワタミはビール、サワーなどアルコール類を09年2月9日から値下げ。生ビールは従来価格よりも13~17%安くなる。
こうした値下げは円高と直接関連はしていないが、背景には原材料価格などが円高のせいで下落していることがありそうだ。
日本経済センター、研究統括部短期予測班は、
「物価は1月から徐々に下がっており、3月以降にすごい勢いで落ちるとみています。2000年のデフレ期よりも下がる。08年に原材料高などで値上げしていた分が、そのまま値下げに転じるんじゃないでしょうか」
とみている。
もっといろんな商品を値下げしてもいいのではないか、という声も消費者から上がっている。
日本総研、調査部の小方尚子主任研究員は、
「商品によって価格に転嫁できるスピードが異なります。ガソリンの場合、原油価格が反映されるまでの期間が短いので、すでに下がっていますが、電気、ガスは燃料費が反映されるまでに6か月かかります。また、加工製品の場合、高い時に買った原料を使い切るまで、下げられません。そのため加工度が低い商品の方が、早く下がります」
と説明する。
また、こうも指摘する。
「08年にいろんな商品が値上げされた一方、景気が悪い中で値上げすれば消費者離れが起こってしまうとして(値上げ)できない企業もありました。それもあって、下げられないという事情もあるようです」