CPなどの買い取りは時限措置?
白川総裁は「現時点でこれ以上の買い取りは考えていない」と述べ、リスク資産の買い取り対象の拡大に「予防線」を張っている。なし崩し的な拡大を防ぐため、CPなどの買い取りは時限措置とした。だが、景気低迷は長引きそうで、「日銀への買い取り圧力が強まりかねない」との観測も出ている。
日銀は98年11月の金融政策決定会合で、やはり当時の資金繰り難に対応するため、企業向け債権を担保に金融機関に資金を供給する臨時制度の導入を決めたが、ある審議委員は「エスカレートして『社債を買え、株式を買え』といった要求に発展しかねない」と危ぶんでいた。それが10年後の金融危機で現実のものとなり、日銀は「財務の健全性」と「景気底割れ回避」という、相反する命題のはざまで綱渡りの政策運営を迫られている。