大手の物件も、今後は下がる
にもかかわらず値下げできる理由について、分譲マンション価格の調査会社、東京カンテイ(東京都品川区)市場調査部の担当者は、こう説明する。
「マンション業者が3月決算に向けて在庫を少しでも現金化するために、利益を圧縮して(販売価格を)下げています。ブランド力が弱い中堅以下で見られる傾向です。体力がある大手でも、成約者に1000万のマンション購入券が当たるとか、家具がついてくる、引越費用を持つといった特典をつけており、実質的に値下げしています。10、11月までは安定した『底値圏』が続くと思います」
一方、まだ下がる余地があるという意見もある。
「今下げているのは、値付けを高くしすぎたとか、立地条件が悪いとか、業績が悪くて手放さざるを得ない、倒産した企業の物件を買い取って安く売る、といったケースです。こうした物件は今後も出てくる可能性があります。09年がピークとなりますが、2010年も続きそうです」(不動産関係者)
また、大手の物件も、今後下がる見込みがあるという。
「大手物件は表向きに値下げしないので、売れていません。いつまでも高止まりして在庫を抱えているわけにもいきませんし、09年夏以降に下げてくるでしょう」