パイオニアTV完全撤退 家電メーカーリストラ加速

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   パイオニアが、2010年3月までに、主力事業である薄型テレビから完全撤退すると発表した。薄型パネルの製造から販売までを総合的に手掛ける大手テレビメーカーがテレビ事業から完全に手を引くのは初めてだ。パイオニアにとって柱ともいえる事業から撤退せざるを得ないほど家電メーカーをめぐる経営環境は悪化している。景気の先行きが見えない中、家電メーカーの事業縮小や撤退の動きが加速する可能性は強い。

大画面のプラズマテレビを世界で初めて発売

   パイオニアは1997年に、50インチという大画面のプラズマテレビを世界で初めて発売し、薄型テレビでは世界をリードする存在だった。特に、画像の決め手となる黒色の表現力には高い評価を得ており、鮮明な画像が特色の「KURO(くろ)」ブランドには熱烈なファンも多い。

   しかし、薄型テレビの世界市場では、パナソニックなど国内大手や韓国LG電子など新興勢力が猛追。国際的な開発・価格競争が激化する中、パイオニアは「オンリーワン」としての地位を確立することができず、昨年のプラズマテレビの出荷額シェアは、わずか4%で世界5位と苦戦から抜け出すことができなかった。

   こうした中、パイオニアは08年3月、パネル生産から撤退し、パネルは競合相手でもあるパナソニックから調達する方式に切り替えると発表した。自前生産を断念してテレビの組み立てに特化することでコスト改善を図る考えだった。しかし、08年秋の米証券大手リーマン・ブラザーズの経営破綻以降、世界景気は急速に悪化。テレビ販売も急激に落ち込んだ。さらに、テレビの世界的な値崩れが加速し、収益改善のめどは立たないと判断。「完全撤退によって会社としての生き残りの道を探る以外なくなった」(関係者)というのが実態だ。

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