「涼宮ハルヒ」ミステリー 完成していたのに「出来ませんでした」

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   大人気アニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」のパロディーギャグアニメ「涼宮ハルヒちゃんの憂鬱」。2009年2月13日にインターネット配信されるはずだったが、同日、制作・管理している角川書店が、「出来上がりませんでした」という異例のコメントを出したのだ。ファンは激怒し「ふざけるな!!」などのカキコミがネット上に溢れたが、実は、アニメは完成していたのだそうだ。

このテロップでは「お詫び」に見えない

   角川書店の「涼宮ハルヒの憂鬱」を巡っては、つい先頃、続編の新作が09年4月からTV放送されるかに受け取れる広告が出て騒然となったばかり。結局は、これまで放送されたものを「改めて」放送するということがわかり、ファンをがっかりさせた。今回の「涼宮ハルヒちゃんの憂鬱/にょろーん☆ちゅるやさん」は、投稿動画サイト「ユーチューブ」内にある「角川アニメチャンネル」で09年2月13日の22時から配信すると告知していた。

   ところが、放送予定の時間にサイトを訪れると、「出来上がりませんでした」というテロップが流れた。ファンは激怒。最も怒りをかった部分は、約束の時間にアニメが配信されなかったことだけでなく、このテロップが「お詫び」に見えないことだ。さらに、映像にはボートが映っていて、07年に起こった「nice boat.騒動」を連想させ、

「パロディーでファンをバカにしているのではないか」

ということになった。

   「nice boat.騒動」とは、アニメ「School Days」が放映中止になり、代わりにボートや城が映っている環境ビデオが流されたときのこと。日本のファンは放送中止に怒ったが、海外の掲示板に、「School Days」中止の感想ではなく、ビデオのボートを見て「nice boat.」とカキコむ人が出た。この感想のギャップが日本のアニメファンにショックを与えた。そして、「nice boat.」は、「落ち着け」という意味合いを持ち、混沌とした流れを変えたい時や、アニメの放映や話しが飛んでしまうこと、という時に使われるようになった。

   「出来上がりませんでした」のテロップが出た後、「ユーチューブ」の動画コメント欄には角川を非難する3000ものコメントが並んだ。巨大掲示板「2ちゃんねる」にも複数のスレッドが立ち、「ニコニコ動画」にも動画が転載され批判が広がる。出来上がらなかったのは仕方ない、としながら「映像は釣りだろう」というコメントもあった。

お詫びの10分後にアニメの配信始まる不思議

   角川はファンからの非難が殺到したため、09年2月14日16時に環境ビデオ上に正式な謝罪文を流した。

「このたびは配信予定時間に配信することができず、誠に申し訳ございませんでした。 謹んでお詫び申し上げます」

   その10分後に予定されていたアニメの配信が始まった。

   角川書店関係者によれば、「ハルヒちゃん」のアニメは放送予定日までに完成していて、いつでも配信できる状態にあったのだそうだ。アニメの配信が予定日より遅れたことは今回が初めてではない。作者との話し合いが長引き配信が遅れる、というケースもあるからだ。また、今回は「出来たら配信!気が向いたら更新!」と告知していたことも遅れたことに影響しているのではないか、と説明するものの、

「なぜ配信が遅れたかについて話せる人は社内にはいないでしょう」

ということだった。

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