ワールドカップや中日クラウンズなども現在検討中
今回、広告費の大幅カットが明らかになったのは日産のみだが、自動車業界の業績は「総崩れ」なのが現状だ。例えば09年3月期の連結決算では、日産以外にもトヨタ自動車、マツダ、富士重工業、日野自動車が営業赤字を計上する見通しだ。
さらに、日本の広告業界で自動車広告が占める位置は決して小さくない。前出の日経広告研究所の調査によると、国内有力企業で広告費が多い上位10社(07年度)のうち、自動車メーカーが3社を占めている。日産以外でランクインしているのはトヨタ自動車(1位、1083億4000万円)とホンダ(3位、913億4000万円)。トヨタについては前年比で2割程度の削減にとどまるのでは、と業界ではみているが、
「ワールドカップや中日クラウンズなどの協賛関係については、現在検討中なのですが、(広告出稿などの)詳細については、回答を控えさせていただきたく思います」(トヨタ自動車)
としている。
「09年度の広告宣伝費については、まだ予算を組んでいる途中で、まだ上層部で議論をしている段階です。かなり厳しいということは認識しているんですけどね…」(ホンダ)
両社とも態度を明確にはしていない。ただ、前年をかなり下回るのは確かなようだ。